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ネギま!のこのせつ好きのダメサイト。
このせつ長編 「未来 1」
今回は刹那、木乃香は学校卒業後就職しているというパロディ的設定です。
二人は主従関係で、視点を主に木乃香で進めていきたいと思います。
苦手な方はスルーでお願いいたします!!
べつにいいよ〜な方は続きを読むからお願いいたします!

このせつ長編「未来」


こうやって肩を並べて歩くだけならば、
いつまでも傍にいられるのだろうか。



=未来=



平日のオフィス街。
中学を卒業して、高校、大学を出て、私たちは就職した。
ネギ先生が本格的にマギステルマギを目指して、アスナがパートナーとして供に旅に出て、もう10年近く経つ。

中学卒業と同時にアスナ達はこの世界から離れていった。
しかし、木乃香は関西呪術協会の長として日本に残った。・・・もちろん刹那も。
しかし長といってもまだ父が現役であるし、‘今出来ることを’という父の言葉と、修行という名の元に、大学卒業後、表向きは海外の輸入品を扱う会社だが裏は魔法に関わる事件扱っている警備会社という何とも不思議なところに勤めている。
世界でどのようなことが起こっているのか、魔法界の情勢を知るために木乃香は現在ここの会社の秘書を勤めている。
魔法を使った事件が表立っていないのはこうした会社が世界にいくつも存在しているからなのだと入社して木乃香は初めて知った。
自分達のいた世界はどれほど護られたものだったのかと想像すると、今までの世界がまた違って見えてきて、何とも不思議な気分だった。
こうやって東京のオフィス街をぶらついているのも何となく不思議な気分だ。
昔はこんな自分を想像できただろうか?いや、出来なかった。
そして、相変わらず隣に刹那が居ることも・・・・。

「・・・なあ、今度の土曜日あいてる?」
「土曜日ですか?午前中は仕事の打ち合わせがありますが午後なら。」
「じゃ、久しぶりにデートしよ?」
「え!?で、でえと!?」

慌てた彼女の顔は真っ赤で、それは何百回も見てきた彼女の反応。
何回繰り返しても寸分の狂いもない。

真っ赤な顔をして慌てて首を振る彼女。
そんな彼女は現在木乃香の勤める会社では部長といったポジションにつけている。
現場に向かい実際に戦闘をこなすというよりは指示を出すといった役割。
こういう仕事は昔からこなしている為、現場の状況が分かっているのであろう。デスクワークは不向きかと思われたが、学生時代の仕事の経験が存分に生かされていた。
さらに彼女は未だ木乃香の護衛も勤める。
現在修行を積んだ木乃香は滅多なことで危険になることはないので、こちらはオマケのような仕事だが、それでも会社の重役と両立する結構やり手な彼女を木乃香は秘かに自慢に思っていた。

「デート・・・嫌なん?」
「い、いえ!め、め、めっそうもない!!」

こうして刹那をイジメるのも木乃香の習慣であるし、とても自然な流れ。
少し淋しそうな表情を作って、上目遣いで眺めて一言言うと、刹那は真っ赤な顔をして全力で否定してくれる。
本当に‘やり手’なのだろうかと疑わしくなるくらいに。
でもこれはとても心地よくて、心地が良いのは私だけかもしれないと思いつつ、木乃香が必ずやってしまう行動だった。

もう何年も前からずっと変わらずに。

ぼんやりと横顔を見ていると彼女は時計を確認した。
彼女のしているシャープなデザインのシルバーの時計は木乃香が誕生日に贈ったものだ。

「・・・・しまった、こんな時間・・・」
「会議?」
「ええ、すみません、またメールします。」
「うん。」

パチンと折りたたみ式のケータイを取り出して、刹那はどこかに電話をかけようとしている。
刹那は携帯を耳に当てたままこちらに振り向いた。
ちらちらと時計を気にしながら、ニヤリという擬音がぴったりの笑みをたたえ、刹那は木乃香に目配せする。

「・・・・お嬢様、私なんかと遊んでないで本当のデートでもしたらどうです?」
「・・・・そんな相手いーひんもん。」

すねたように言葉を返すと、刹那は一瞬目を開く。

「・・・・それは失礼。」

刹那はもう一度ニヤリと笑って見せた。

彼女のあからさまに龍宮の影響を受けている笑みは、学生時代には見られなかった表情だ。
木乃香のからかいに対抗するようになったのはいつだったか。
刹那はたまに、余裕の表情を浮かべる。
これは大人の顔というのだろうか、仕事の実績も関係しているのだろうか、木乃香にそれは分からない。

「また・・・どうせお父様に身辺調査でも頼まれたんやろ?」

くるりと半回転して、横に並んでいた刹那を正面から捉える。

「ふふ、分かりましたか?こないだは‘木乃香に彼氏はいるんやろか!?’って大変でしたよ?」

くすくすと、今度は自然に笑いながら答えた。

「はあ・・・。」
(・・・・お父様恥ずかしいやない・・・・。)

ため息交じりに頭を抱えて苦笑いをしていると、刹那はまた軽く笑った。

「あまり長に心配かけちゃダメですよ?お嬢様・・・・・・って、・・・あ、もしもし私だ・・・」

電話が繋がったのだろう。刹那は一瞬手のひらを立てて‘すみません’のポーズをとると、
‘また後で’という目線を木乃香に送り、踵を返してサラリーマンの溢れかえる人ごみに飲まれて消えていく。

昔から見続けている彼女の背中。それは見慣れた背中。
でも、日々その表情は変わっていく。

目の前の横断歩道の信号が点滅していた。
道路の向こう側のごちゃごちゃな人ごみの中に彼女はまぎれている。
本当に彼女はあの集団の中にいるのだろうか。

‘本当のデートでもしたらどうです?’

その言葉が街の喧騒に負けず、頭の中ではっきりと聞こえた。
リフレインする。
彼女の声は鮮明だ。

(・・・・・なあ、せっちゃん・・・)

何年も彼女をこうやって送り出してきた。
きっと、これからもずっと。
その背中を。

「・・・・ウチのデートはこれが本当なんよ。」

ぽつりと言った言葉は、車の走る音や誰かの話し声、街に溢れかえる沢山の音に紛れ込む。

私の心は今も、
学生時代から一歩も動けずにいる。

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