このせつSS
「face」
「face」
カーテンの隙間から零れる光は暖かく、やさしく、私を突き刺した。
=face=
今日は土曜日、学校はお休み。
私は寮の自室で穏やかな朝を迎えた。
「朝食が済んだらアスナさん達の部屋に行こう。」
・・・護衛のために。
修学旅行から帰ったあと、私とお嬢様の関係は大きく変わった。
以前は影からお守りするだけだった私が、お嬢様の隣にいることが多くなった。
しかし、どんなに仲がよくなろうとも仕事を忘れてはならない。
どんなに時がたとうと本来の身分を忘れてはならない。
私が私自身に課した誓約を反故にしてはならない。
冷静に独りになれば、頭はこれを反芻する。
しかし体は習慣を実行するもの。
無意識に顔を洗い、髪を結わき、軽い朝食を済ませ、夕凪を握る。
無意識のうちに支度は済まされ、後はドアを開きあなたの部屋へ向かうだけ。
「・・・すばやいにもほどがある。」
自分に苦笑い。
さらに反芻する言葉。頭から口に出してみる。
「護衛に行かなくては。」
・・・バカだ。
護衛護衛とただあなたに会いたいという気持ちの言い訳。
小利口な頭で反芻している言葉は、すべて本当の、本当に心の底にある気持ちを隠す鎧。
「・・・窓」
朝から閉め切っていたから空気の入れ替えをしてから出かけよう。
あまり早く行ってしまっても、
お嬢様たちはまだ朝食を食べているかもしれない。
部屋の空気とともに、この思考も入れ替えよう。
浮ついた気持ちを鎮め、仕事へ行くという気持ちを強めよう。
勢いよく開け放ったカーテン。
・・・コンコン
「?」
・・・・
まさかと、はやる気持ち、すばやく深呼吸。
ガチャ
「せっちゃん、おはよう」
そこにいたのは、フライングした私の脳が映し出した人物。
嬉しさとか感情を必死に隠す。
「お・・おはようございます。お嬢様」
「せっちゃんまたお嬢様って言う〜」
はにかむ、あなた。
そう、何をすればよいのか、あなたを守るために必要なことは何か解っている。
冷静に護衛に必要ない感情は押し込めて。
「ちょっと朝早いかなって思うたんやけど、今日せっちゃんがいいなら食料の買出だしに付き合って欲しいって言おうと思ってな?」
「ええ、お嬢様がよろしければお供いたします。」
護衛のために傍にいるんだ。
気を引き締め心に鎧をまとう。
「いいにきまってるやん、せっちゃんと行きたいから誘ってるんよ?」
・・・これはお嬢様のやさしい心遣いだ。
「ありがとうございます。それではお嬢様の支度ができた頃にお部屋にお迎えにあがりますね?」
「はあ〜せっちゃん堅いなあ。」
きゅっと両手がつかまれた。
「っおっお嬢様!?」
「もー。せっちゃんがウチに慣れてくれるまで、これからずっと誘うから。昔みたいに接してくれるようになるまで。せやから今日は1日ウチに付き合ってもらうで?」
・・・顔はたぶん真っ赤。隠せない。
私でいいんですか?傍にいていいんですか?
護衛じゃなくてもあなたの隣に居たいです。
窓から差し込む光は、暖かく、やさしく私達を包んでいた。
END
=face=
今日は土曜日、学校はお休み。
私は寮の自室で穏やかな朝を迎えた。
「朝食が済んだらアスナさん達の部屋に行こう。」
・・・護衛のために。
修学旅行から帰ったあと、私とお嬢様の関係は大きく変わった。
以前は影からお守りするだけだった私が、お嬢様の隣にいることが多くなった。
しかし、どんなに仲がよくなろうとも仕事を忘れてはならない。
どんなに時がたとうと本来の身分を忘れてはならない。
私が私自身に課した誓約を反故にしてはならない。
冷静に独りになれば、頭はこれを反芻する。
しかし体は習慣を実行するもの。
無意識に顔を洗い、髪を結わき、軽い朝食を済ませ、夕凪を握る。
無意識のうちに支度は済まされ、後はドアを開きあなたの部屋へ向かうだけ。
「・・・すばやいにもほどがある。」
自分に苦笑い。
さらに反芻する言葉。頭から口に出してみる。
「護衛に行かなくては。」
・・・バカだ。
護衛護衛とただあなたに会いたいという気持ちの言い訳。
小利口な頭で反芻している言葉は、すべて本当の、本当に心の底にある気持ちを隠す鎧。
「・・・窓」
朝から閉め切っていたから空気の入れ替えをしてから出かけよう。
あまり早く行ってしまっても、
お嬢様たちはまだ朝食を食べているかもしれない。
部屋の空気とともに、この思考も入れ替えよう。
浮ついた気持ちを鎮め、仕事へ行くという気持ちを強めよう。
勢いよく開け放ったカーテン。
・・・コンコン
「?」
・・・・
まさかと、はやる気持ち、すばやく深呼吸。
ガチャ
「せっちゃん、おはよう」
そこにいたのは、フライングした私の脳が映し出した人物。
嬉しさとか感情を必死に隠す。
「お・・おはようございます。お嬢様」
「せっちゃんまたお嬢様って言う〜」
はにかむ、あなた。
そう、何をすればよいのか、あなたを守るために必要なことは何か解っている。
冷静に護衛に必要ない感情は押し込めて。
「ちょっと朝早いかなって思うたんやけど、今日せっちゃんがいいなら食料の買出だしに付き合って欲しいって言おうと思ってな?」
「ええ、お嬢様がよろしければお供いたします。」
護衛のために傍にいるんだ。
気を引き締め心に鎧をまとう。
「いいにきまってるやん、せっちゃんと行きたいから誘ってるんよ?」
・・・これはお嬢様のやさしい心遣いだ。
「ありがとうございます。それではお嬢様の支度ができた頃にお部屋にお迎えにあがりますね?」
「はあ〜せっちゃん堅いなあ。」
きゅっと両手がつかまれた。
「っおっお嬢様!?」
「もー。せっちゃんがウチに慣れてくれるまで、これからずっと誘うから。昔みたいに接してくれるようになるまで。せやから今日は1日ウチに付き合ってもらうで?」
・・・顔はたぶん真っ赤。隠せない。
私でいいんですか?傍にいていいんですか?
護衛じゃなくてもあなたの隣に居たいです。
窓から差し込む光は、暖かく、やさしく私達を包んでいた。
END
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一般男性との時間に憧れるちょっと勝気な彼女達
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